‘違うこと’の価値を問う美術展「The Colours! vol.2」を、 11/15より大阪・船場エクセルビルにて開催
〜金沢21世紀美術館キュレーターの黒澤浩美氏が企画監修、多数の作家による原画を展示〜
この度、辰野株式会社と共同で、11/15(火)から12/24(土)にて『ヘラルボニー The Colours! vol.2』を大阪市 船場エクセルビルにて開催いたします。
『ヘラルボニー The Colours!』は、ヘラルボニーの企画アドバイザーで、金沢21世紀美術館キュレーターでもある黒澤浩美氏が手がける美術展です。個々の「違い」そのものが価値となって社会を彩るというメッセージを作家とともに発信します。2022年7月の六本木のアートコンプレックス ANB Tokyoでの好評を受け、第2弾として大阪を舞台に開催いたします。
なお、全展示作品はオンラインストアでもご購入いただけます。
>「The Colours! vol.2」 原画購入はこちら
■船場エクセルビルについて
本展示会場の「船場エクセルビル」は、大阪の中心エリアの船場地区をアートでアップデートしリブランディングを目指す『船場アートサイトプロジェクト』の拠点として「大阪関西国際芸術祭」の会場にも選ばれている場所です。アートによって新しい価値の創造を試みる街を舞台に、「異彩を、放て。」のミッションのもと、アートシーンにおける彼らの作品の価値を見直すことで、異彩あふれるカラフルな「違い」こそが尊重される社会の実現を目指します。
■展覧会コンセプト「The Colours!」
福祉実験ユニット「ヘラルボニー」がライセンス契約を結ぶ作家の中から「色」のパワーを持つ作品を中心にセレクトした展覧会。
アートは「違い」にこそ存在価値がある。「同じ」や「普通」よりも、個人の「個性」こそが認められる。違いこそが大切な価値だ。世界中を見渡してみても、ひとつとして同じものがないのは、あらゆる存在に言えること。人間の存在も、「違い」そのものが価値となって社会を彩る。違いこそが多様性を支え多様性こそが生存の力になる。そして何よりも「違い」は美しい。
例えば、絵の具や色鉛筆のカラーパレットは、使う人たちが足したり混ぜたり、薄めたり伸ばしたりすることで、無限に自分だけの色を作り出すことができる。
色の知覚も人によって違う。視覚と脳の関係で識別するので、複数の人間が同一の色覚を共有できない。あなたが赤というものも、私には赤とは呼べないこともあるかもしれない。この「違い」こそが尊重されるべき価値だ。
地球は青いと言われるが、実はたくさんの色が混じり合っている。生きとし生けるもの、創造したもの、生み出したもの。遠い過去から、すでにそこに在るもの。
全ての色が異なり、あるがままの色が美しい。「私」の色を大切に、「私」の力を信じて、「私」の好きな色を見つけよう!「私」の居場所を知らせよう!
「私」の色に、力を与えよう!
黒澤 浩美
■展覧会概要
展覧会名:ヘラルボニー The Colours! vol.2
会 期:2022年11月15日(火)~2022年12月24日(土)
会 場:船場エクセルビル2階
住 所:〒541-0056 大阪府大阪市中央区久太郎町3丁目2−11 Map
開館時間:月曜〜土曜 12:00〜19:00
休館日 :日曜・祝祭日は休館
入場料 :無料
出展作家:井口 直人、伊藤 大貴、内山.K、衣笠 泰介、木村 全彦、高田 祐、早川 拓馬、Juri
内容:アート原画の展示会および販売、HERALBONYプロダクトの販売
共 催:株式会社ヘラルボニー、辰野株式会社
企 画:黒澤浩美(金沢21世紀美術館キュレーター/ヘラルボニー企画アドバイザー)
会場施工:株式会社スーパーファクトリー
デザイン:株式会社Paper Parade
■同時開催:Wall Art Museum in 船場
本展覧会の開催に合わせて船場地域にある久宝公園の北側に隣接する駐車場「Tパーク久太郎町」のフェンスに、ヘラルボニーの契約作家によるアートミュージアムを展開いたします。テーマは「みんなで、公園から見るアートミュージアム」。日常生活の風景のなかに、異彩あふれるアート作品を楽しめる空間を創出します。展示期間中には、お子様との交流を目的としたワークショップなどの企画を開催予定です。
<概要>
展示場所:久宝公園北側、Tパーク久太郎町のフェンス(大阪府大阪市中央区久太郎町3-2-5)
※久宝公園からご覧いただけます。
開催期間:2022年11月中旬から開催予定
※開催日が決まり次第、公式SNS等でお知らせいたします。
■作家・作品紹介(※一部紹介、五十音順)
※作家および展示作品については変更となる可能性がございます。
「無題」
井口 直人 / Naoto Iguchi(さふらん生活園)
街のコンビニと施設のコピー機を使って、自分の顔とその時々の気に入ったものを写し取ることを毎日の日課としている。ガラス面に顔を押し付け自分でボタン操作し、センサー光の動きと共に身体を動かすことで、画面に独特の歪みを作り出す。作品中に多用されるシールは、施設でのアルミ缶作業中に剥がした景品応募シールで、これまで何度も当選している。近所のコンビニには20年あまり毎日通っており、終わると店員が手際よくガラス面についた顔の脂を拭いてくれる。
「太陽と富士山」
伊藤 大貴 / Daiki Ito(NPO法人あいアイ)
1984年生まれ。川越市在住。他人との対話はにこやかに、穏やかに、「ハイ」と頷きながら会話できますが後から悩み始めます。水泳が特技。遠泳にも挑戦。乗り物に詳しく、一人で通勤も出来ます。自転車も大好きです。
「ものすごい鬼の地図」
内山.K / K. Uchiyama(希望の園)
1994年生まれ。伊勢市在住。
2011年から毎年、東京でのグループ展に出品。その他展覧会にも多数出品している。2015年 第62回伊勢市美術展覧会 洋画部門「岡田文化財団賞」2016年 第63回伊勢市美術展覧会 洋画部門「奨励賞」2018年 第69回みえ県展 洋画部門「優秀賞」 2019年 第66回伊勢市美術展覧会 平面造形の部「市議会議長賞」2020年 トヨハシブリュト・アートコンテスト「副知事賞」
「ROSE」
衣笠 泰介 / Taisuke Kinugasa(個人)
1989年 京都市生まれ。2歳から絵を描き続ける。生きることは描くこと。マジカルとも評される色彩感覚と感受性で、光と色彩に溢れた世界を描く。そのアートワークは国内外で高い評価を受けている。京都市内のギャラリーミラクルを拠点に、東京・京都・沖縄・札幌・大阪・岡山・ニューヨークなど、各地で個展を開催。様々な大手企業コラボレーションや製品化、商業空間や公共施設展示などプロジェクト多数。京都上御霊神社と京都御所内白雲神社の絵馬所には、大作絵馬が奉納常設展示されている。
「ワッフル」
木村 全彦 / Masahiko Kimura(アトリエやっほぅ!!)
強い筆圧でぐいぐい。キュニキュニと呼ばれる独特の楔型模様を編み出した。そのため、絵には奥行、立体感が生まれる。絵の題材は動物から静物画まで様々だが、どの作品も彼独特の画風で異彩を放っている。作品は国内外で評価されるが、本人は外界の雑音には無頓着。
「迷路」
高田 祐 / Yu Takada(自然生クラブ)
東京都出身。伊奈特別支援学校高等部に在学中から、自然生クラブの太鼓ワークショップに参加し、抜群のリズム感を披露していた。2001年より自然生クラブのメンバーとなり、農作業や絵画、ダンスなどの表現活動に取り組み、ベルギー、香港、デンマークなど海外公演にも参加。田楽舞いの太鼓で、中心的役割を果たす。健康上の不安を抱えながらも豊かな感受性と想像力で、その表現の幅を広げている。2013年秋、個展「色彩の迷路展」を開催。
「ワンニャン通過列車のたび」
早川 拓馬 / Takuma Hayakawa(希望の園)
1989年生まれ。三重県玉城町在住。NPO法人希望の園所属愛知、岐阜、三重で個展開催、東京、愛知、三重、ドイツ、スペイン、中国、ベトナムでのグループ展参加。2006年 第47回松阪市美術展「奨励賞」2009年 第61回みえ県展 洋画部門「for your Dream賞」2011年 ポコラート全国公募展「オーディエンス賞」2013年 中京テレビ「24時間テレビ」巨大エコキャップアート原画制作に参加、出演2016年 第67回みえ県展洋画部門「優秀賞」 2019年 スターバックス×Get in touch×障がいのある作家「MAZEKOZE ART」プロジェクト参加2020年トヨハシブリュト・アートコンテスト「金賞」NHKEテレ「人知れず表現し続ける者たちvol.3」で創作風景等が放送BS8K「NoArt,NoLife 早川拓馬」放送第3回日本財団DIVERSITY IN THE ARTS公募展「入賞」第1回アートパラ深川公募展「官公庁長官賞」
「Beautiful Chaos of the Same Rhythm」
Juri / Juri(希望の園)
1985年生まれ。伊勢市在住。NPO法人希望の園在籍。姉の鉛筆やクレヨンを使い2歳から絵を描き始める。25歳で昆虫などを現在のスタイルで描くようになり、27歳からアトリエ・HUMAN・ELEMENTで制作を開始、 NPO法人希望の園と作家契約、2013年から毎年東京でのグループ展に参加、その他国内外の展覧会に出品している。
■共催者メッセージ
株式会社ヘラルボニー代表取締役社長 松田 崇弥
代表取締役副社長 松田 文登
大阪船場エリアで実現したいのは「まちを福祉で彩る未来」です。知的障害のある異彩が放つエネルギーが、衣を、食を、住を、そして街を、煌めかせる。美しい彩りと対峙したとき「障害」という言葉の意味を考えて欲しいのです。そして、福祉と⽇常の間には本来境界線なんて存在していないことに気付いて欲しいのです。ヘラルボニーは、大阪・船場を関西拠点にすることを選びました。直感です。エリア全体で、未来のニュースタンダードを、みなさんと一緒に創造できるかもしれないと感じたから。ダイバーシティ、サステナブル、インクルージョン、意味を与えることは簡単だけど、意味を与えることで簡単に世界は構造化されてしまいます。意味が多すぎるこの時代に「分からない」を、船場のみなさんと一緒にていねいに届けさせてください。
辰野株式会社 代表取締役社長 辰野光彦
私たちが事業を育んできた大阪・船場の街は歴史的に多様です。大阪城の城下町として、卸問屋街として、様々な背景を持つ人々が関わり合い、商いや文化芸術が生まれてきました。近年はオフィスだけでなくマンションが増え、新たな賑わいを見せています。
今回ヘラルボニーと、多様で素敵な個を表現する場をつくり、その世界観を分かち合うことで生まれる対話に今からワクワクしています。大人も子供も輝き、共に未来へ向けて街を彩りたい想いです。
金沢21世紀美術館キュレーター/
株式会社ヘラルボニー企画アドバイザー 黒澤 浩美氏
The Colours!は、それぞれの作家に障害があるということを問われるまで説明しなくていい展覧会にしたいです。つまり、自分にとっていいものはいい!好きなものは好き!という価値観を信じることに、見る側も挑戦してほしいわけです。障害がある「にもかかわらず」とか、障害がある「ことによって」という理由じゃない、「私」が描きたいと思うものを描くという作家たちのように、あなた自身で見つけてほしいです。