ときめきをアートに。高田扶美はいま何にときめく?「聴く美術館#19」

この春スタートした福祉実験カンパニー・ヘラルボニーの契約アーティストにフォーカスするポッドキャスト「HERALBONY TONE FROM MUSEUM〜聴く美術館〜」。

俳優・映像作家・文筆家として活躍する小川紗良さんと、ヘラルボニーの代表取締役社長の松田崇弥(たかや)が聞き手となり、アートに耳を澄ませながら、作品の先に見えるひとりの”異彩作家”の人柄や、これまでの人生に触れていきます。

今回のゲストは、アイドルやスイーツなど自分がときめくものをモチーフに描く異彩作家の高田扶美(たかだ・ふみ)さん。彼女の日頃の楽しみは、仲良しの施設職員・古米(ふるまい)さんとのガールズトークです。今回はそんな姉妹のような関係のお二人に、作品作りからガールズのトークの中身までお聞きしました。

#イケメンにときめいて

崇弥:本日は福岡県福岡市のアトリエブラヴォという福祉施設から、高田扶美さんという作家さんをお招きしております。高田さんは今まさに紗良さんが着ているTシャツにもなっていますよね。作品タイトルは「花火+ビールビアガーデン男子があつまる会」。

小川:すごい!

崇弥:「男子が集まる会」っていうのがまたいいんですよねぇ!

小川:この絵の中には花火とたくさんのビールしか写ってないんですけど、タイトルから周りにいる賑やかな男子たちを想像できますね。このTシャツは「ART IN YOU アートはあなたの中にある(※)」というヘラルボニーさんの展示で購入して、本当に自前で着てるんですけど、めちゃくちゃ夏にぴったりなんです!

(※)2023年5月20日~6月17日まで行われた展覧会

Fumi Takada「花火+ビールビアガーデン男子があつまる会」

小川:花火! ビール!っていう。

崇弥:「私、ビール大好きです!」って言ってるようなね。

小川:着てるだけで、本人も見た人もハッピーになる感じがしますね。大好きなTシャツです。

崇弥:そんな高田扶美さんには、いろいろなプロジェクトもご一緒させていただいています。扶美さんと福祉施設の古米(ふるまい)さんに繋がっております!

古米さん:初めまして!

高田さん:よろしくお願いします!

崇弥:扶美さんご無沙汰してます! お元気ですか?

高田さん:元気で〜す!

崇弥:この前、岩手県の盛岡にあるヘアートが起用された「ホテル マザリウム」を貸し切って「異彩の感謝祭」というヘラルボニー5周年を記念したパーティを行なったんですけど、そこにね、古米さんさんと扶美さんのお2人にもお越しいただいて。もう、一番のパーティーガールでしたよね! パーティ慣れしてるんですか、扶美さん?

高田さん:私、ソフトバンクで斉藤和巳選手の誕生パーティーに行ったんですよね。その時も楽しかったし、今回は岩手県に行って楽しかったので。

崇弥:本当にパーティに慣れてるんだ! いいねぇ。ヘラルボニーのパーティーは楽しかったですか?

高田さん:いろんな人と話をするのが楽しかったです!

崇弥:扶美さんね、カメラを首から下げて歩いていらっしゃって。

高田さん:ふっふ!

崇弥:会う人会う人に「写真撮ろうよ!」って、やっぱり「男子が集まる会」のビアガーデンに慣れてらっしゃる。

古米さん:ははは!

小川:いいですね〜。サウナやアイスも楽しんで旅を満喫されたって聞きました。

古米さん:はい。

崇弥:古米さんも一緒にね、ホテルで写真を撮って楽しまれたんですよね?

古米さん:もう楽しませていただきました、高田さんと。

小川:2人の親密さが画面からも伝わってくるんですけれども、アトリエブラヴォにはいつ頃から在籍されてるんですか?

古米さん:高田さんは、高校卒業後の18歳、2005年から在籍されています。

崇弥:すごい!  もう、アトリエブラヴォのすごい先輩なんですね。大先輩、アトリエブラヴォの流儀を古米さんにもいっぱい教えてるって感じですか?

古米さん:そうですね、私よりスタッフです!

崇弥:あっはは!

小川:すごい!

古米さん:大ベテラン、営業部長でもあります。

小川:高田さんはアトリエブラヴォに入る前からずっと絵を描いてたんですか?

高田さん:ええ、建物とか動物とか描いてましたね。

小川:そうなんですね!  それでブラボーに入ってからの描き方とか変わっていったんですか。

高田さん:どんどん絵も変わっていきます。

小川:へえ! どんなふうに変わっていったんですか?

高田さん:私は動物から、建物から、動物に変わって、今度は人間になったんですね。

小川:なるほど! 今後ろに飾られている絵も高田さんの?

高田さん:いっぱいです!

崇弥:ぜひ解説していただいてもいいですか?

高田さん:私の好きなアイドルグループなんですけど。

小川:なんていうグループですか?

高田さん:「NEWS」です。

小川:NEWSかぁ! 青い背景の中に、たくさんのアイドルが佇んでいますね。この絵にこだわりはありますか?

高田さん:ひとりひとりの顔が違いますね。

小川:本当だ、表情が違いますね!

崇弥:いいねぇ。本当にね、高田さんはジャニーズとかイケメンがすごい好きなんですね。

高田さん:イケメンも好きですけど、おじさんも好きです(笑)

崇弥:あっはは!

小川:おじさんは、どんなおじさんがお好きなんですか?

高田さん:石丸幹二さんが好きです。舞台、テレビドラマ、映画で活躍している人。

小川:すごいなぁ。いろんなエンターテイメントを見てるんですね!

高田さん:はい。

小川:実際にライブに行ったり、見たりは?

高田さん:実際にジャニーズのライブに行きます。

小川:そうなんですね!

崇弥:この前の岩手のパーティーでもね、私と文登(崇弥の双子の兄でヘラルボニーの代表を共に務める松田文登)なら、文登の方がタイプだってみんなの前で公言されましてね(笑)。

小川:えーっ! そうなんですか! 

崇弥:屈辱を味わいました(笑)。

小川:高田さん、文登さんのほうがタイプっていうのは、どのあたりが?

古米さん:覚えていますか?  (言うのは)恥ずかしい?

高田さん:恥ずかしいっていうか……まぁ、あの、(文登のほうが)話しやすい、のかな? っていう……。

(一同爆笑)

崇弥:大丈夫? 俺と今から20分くらい喋るけど! 挽回して話しやすいなって思ってもらえるように頑張ります(笑)!

#花咲くガールズトーク

小川:すでに高田さんのワールドに引き込まれているんですけども、ビールの作品の他に「ワインとチーズを探してフランスの旅を満喫」というタイトルの素敵な絵もありますね。この飲み物が並んでる様子はどこかで見たものなんですか?

Fumi Takada「ワインとチーズを探してフランスの旅を満喫」

古米さん:SMAPがフランスに行ってるのを見て、ワインを描きたくなったんですよね?

崇弥:SMAPからインスパイアされてるんですね。

高田さん:はい。

小川:これもアーティストからなんだ! すごくおしゃれというか、色彩も豊かだし、Tシャツや身近なところにあるとワクワクするような作品ですが、描いてるときはどんな気持ちなんですか。

高田さん:楽しくなりますね。

崇弥:この「ワインとチーズを探してフランスの旅を満喫」という作品は2023年8月からJALの日本初国際線エコノミークラスの機内食のスリーブとして何百万食と配られているんです。本当におめでとうございます!

小川:素敵ですねぇ。本当に旅を豊かにしてくれるようなイラストですよね。

崇弥:どんな人に食べてほしいとか、ありますか?NEWS?

高田さん:いや! 海外の人たちに食べてほしいです.

小川:いいですね!

高田さん:海外行ったことあって。ニューヨークに行ったんですよ。

崇弥:ニューヨークかぁ。いいですね。本当に素晴らしい。ニューヨークに行く人も、高田さんの作品の機内食は必ず食べますから。楽しみですね。

小川:このワインの絵も、周りに男子たちがいるんですか?

高田さん:女性もいますね。

崇弥:これは女性もいるんだ!

小川:なんか、絵の外側を想像しちゃいますね!

崇弥:扶美さんは女子トークも大好きだってアンケートにも答えていただいてて。古米さんとよく女子トークしたりするんですか?

古米さん:そうですよね! 将来について、よく。

小川:あ、照れていらっしゃる。

崇弥:可能な範囲で聞いてみたいです。気になる。

高田さん:芸能人とか、女性のアーティストさんとか。まぁ、両方とも彼氏がいないんで。

崇弥:古米さんのことまでバラされてしまいましたね(笑) 大丈夫ですか? 

古米さん:すいません(笑) 「もしこの芸能人と結婚したら」っていうのを、ふたりで。

崇弥:トークされるんだ!

小川:ちなみにどんな方が登場するんですか?

崇弥:気になる。

高田さん:私だったら、誰でもいいですけど。

崇弥:えーっ! 誰でもよくはないんじゃない?

高田さん:生田斗真くん?

小川:生田斗真さん!ご結婚されてしまったけれど……!

高田さん:別に結婚は大丈夫です!

崇弥:妄想が楽しいんだもんね。かっこいいもんなぁ。

小川:おふたりが、いつもこんな風に会話に花を咲かせているんだろうなって伝わってきますね! アトリエブラヴォでは普段、絵を描くこと以外のこともなにかされてるんですか?

高田さん:そうです。

小川:どんなことをされてるんですか?

高田さん:陶芸をまだやってなくて。陶芸もしたいですね。ワークショップとかもあるんですけど。

崇弥:陶芸かぁ。いままでどんな陶芸を作られているんですか?

高田さん:亀とか、エッフェル塔とか。

崇弥:エッフェル塔。やっぱりおしゃれだ。

小川:海外のものを。

高田さん:あと、器とかも作りました。

小川:今、古米さんが持ってきてくださるみたいですね。

崇弥:うん、見てみたいですね。実際に。

高田さん:岩手県の絵日記も書きましたね。

小川:絵日記!

崇弥:気になる!ぜひ見せてください。

(高田さん、画面に絵日記を見せる)

崇弥:お、もっと前に近づけてもらっていいですか?

高田さん:これは飛行機ですね。

小川:人の顔が(描いてある)。

高田さん:私と古米さんですね。

小川:本当だ! 飛行機の窓と座席に。楽しい絵日記ですね! あ、古米さんが作品を持ってきてくださいました。

崇弥:亀とエッフェル塔だ!

小川:かわいい〜!

崇弥:これはいいですね。うん。エッフェル塔、めっちゃいいじゃないですか!

小川:亀もすごくかわいい。

高田さん:エッフェル塔は、めっちゃ売れました。

古米さん:うふふ(笑)。

崇弥:かわいいもんね!

小川:家の玄関とかにちょこんと置いてあったら、素敵。

崇弥:扶美さん、題材はどうやって決めるんですか? 何を描こうかとか、作ろうかとか、どう決めるんですか?

高田さん:ペンとか、鉛筆とか、ボールペンをしています。

崇弥:そういうのを使ってるんだ。なるほど。じゃあ、なにか作りたいなって思うとき、どうやって作るかどうかで決めるんですか?

高田さん:赤土と白土で決めますね。

古米さん:何を描きたいっていうのは、どうやって決めてますかって。

高田さん:あぁ、私が選んだりもしますけど、職員の松尾さんとよく話し合ってます。

崇弥:話し合って決めるんだ。なるほど。

小川:普段から行った場所とか、見たものとかを描きたいって思って、覚えておいたりするんですか?

高田さん:あまり……(笑)。

小川:そうでもない? でも、日記にその旅の思い出を描いたりはしてますね。

高田さん:実際、ホテルも描きましたので。

崇弥:盛岡にあるヘラルボニーの「HOTEL MAZARIUM(ホテル マザリウム)」ってホテルかな? ありがとうございます。どうでした? お部屋は良かったですか?

高田さん:とってもいい部屋でしたね。

崇弥:よかった! 何か改善点があれば教えてください。これを入れたらいいんじゃないかとかね、ありましたら。

高田さん:花柄とかあったらいいですね。

崇弥:たしかに。女子旅プランとか、最近多いですからね。やってみますか、扶美さんプロデュースで!

小川:素敵な旅になりそうですね。

崇弥:だね。

#疲れたとき、一番会いたい人

小川:手元の高田さんのプロフィールに、今までの趣味がたくさん書いてありますね。

崇弥:いろんな趣味。そういえば、イベントのときは必ずオロナミンCを飲むって。

小川:本当だ。

高田さん:あはは! そんなことなくって(笑)。

崇弥:あれ、そんなことないんですか?

高田さん:最近は飲んでなくて。

古米さん:最近はキューピーのね。

高田さん:最近はキューピーのチューブを飲んでます。

小川:それを飲むと頑張れるみたいな。

高田さん:月曜日の仕事とか、疲れるときに飲みますね。

古米さん:イベント前に、気合を入れるために扶美さんの思う栄養ドリンクをいっぱいカーっと飲んで集合されるそうです。

崇弥:なるほど。

小川:絵を描いてるとき以外っていうのは、いつもどんなふうに過ごしてるんですか?

高田さん:動画を見ますね。YouTube。

小川:へぇ! それは何を見てるんですか?

高田さん:ジャニーズは見ますし、やっぱり。純烈のグループも。

崇弥:広いね。

小川:男性アイドルグループが本当にお好きなんですね。

高田さん:女性も好きです。

古米さん:昨日はAKBとか見てましたね。

崇弥:古米さんは扶美さんと過ごしていて、忘れられないエピソードや、かけてもらった言葉で心に刻んでるものとか、ありますか?

古米さん:たくさんありますね。高田さんって本当に思いやりのある、サービス精神のある方なんですね。私が疲れたときに一番会いたくなるのは、家族とか友達でもなく、実は扶美さんなんです。

小川:素敵。

古米さん:だから普段から思いやりのある行動を言葉かけをしてくださるんですけど、私がちょっとでも仕事とかで失敗をしてしまったときとか、あえて気持ちを隠さずにアトリエブラヴォで表現をするようにしてるんですね。「やっちゃった〜!」とか「どうしよう!」とか言ってると、高田さんが「大丈夫!」て、私の大好きな安室奈美恵さんを流してくれるんです。

小川:へーっ!

古米さん:そういうところで、扶美さんみたいにいつでも愛情とか思いやりを差し出せる人でありたいなと、高田さんから学んでいると思います。

崇弥:素敵。

小川:扶美さんはどんな気持ちで古米さんに声かけをしてるんですか?

高田さん:1回、彼女と食べたことがあって。なんかですね、心配なので、やっぱり、可愛くて可愛くてたまらないので。

崇弥:なんか、いいねぇ。ドキュメンタリーみたいになってるじゃないですか!

古米さん:ふふ。

小川:可愛くてたまらない。なんか姉妹のようで素敵ですね。

崇弥:ええ。本当に扶美さんも古米さんもこんな素敵な出会いがあってよかったですね。

小川:これからおふたりでやってみたいこととかありますか。

古米さん:うわぁ〜、たくさんありますね! 迷います。高田さんからは、よくカフェで女子会をしたいって。

小川:素敵。

古米さん:あとアートライブを一緒にしたいって。私はスタッフですけれども、一緒に。あとは紅茶とか女子会に関する仕事を、一緒に。私が営業して(仕事を)取ってきてほしいって言われたりします(笑)。

崇弥:いいかも! 全然いけそうですよね。

小川:高田さんと古米さんの女子会があったら私も参加したいです。一緒に妄想を広げたい!

古米さん:入ってください(笑)!

小川:ぜひぜひ! お願いします。

崇弥:女子会かぁ!頑張ろう。

小川:ちなみにヘラルボニーでこれからやりたいことはありますか?

崇弥:もう機内食にもなってね、Tシャツにもポーチにもなって。

小川:Tシャツ、売り切れてるらしいですね。私、買っておいてよかった。

高田さん:あのう、松田兄弟さんと絵のコラボしたいんですよね。

古米さん:(爆笑)

崇弥:俺らと? 俺、絵は全然描けないからどうしよう!? 頑張ります(笑)!

小川:でもパーティーしてる松田兄弟のお写真とか絵とか、見てみたいです(笑)。

崇弥:たしかに。

高田さん:兄弟の絵、あります。あそこに。

崇弥:えぇ! あ、ほんとだ!どっちがどっちなのかな?

高田さん:こっちです(指差す)。

崇弥:右! ほうほう!あとで写真に撮ってください!

小川:貴重な似顔絵ですね。

崇弥:描いてもらってありがとうございます!

小川:今日はまるで女子会の一部に参加させてもらったような楽しい時間でした!ありがとうございました!

text 赤坂智世

高田扶美|Fumi takada

1986年生まれ。JOY俱楽部 アート部門 アトリエブラヴォ所属。最近は大きな作品にじっくりと取り組む機会が増えてきた。得意はスイーツや部屋、建物、洋服。繰り返し描かれるモチーフのエッフェル塔は彼女の乙女心にピッタリ。動物みんなが家族のような動物園が大好きで、生き物、動物が自然の中で気持ちよく過ごしている姿が描きたいとも言う。でも夢は嵐のステージの後ろで、絵を描くパフォーマンスをすること。とくに大野君と絵のコラボをしたいと思っている。

 

『HERALBONY TONE FROM MUSEUM〜聴く美術館〜』は無料で配信中

「アートから想像する異彩作家のヒストリー」をコンセプトに、アートに耳を澄ませながら、作品の先に見えるひとりの”異彩作家”の人柄やこれまでの人生に触れる番組です。
役者・映像作家・文筆家として活躍する小川紗良さんと、ヘラルボニーの代表取締役社長の松田崇弥の2名がMCを担当。毎回、ひとりのヘラルボニー契約作家にフィーチャーし、知的障害のある作家とそのご家族や福祉施設の担当者をゲストにお迎えしています。
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