再開発で移ろいゆく都市の上空に、
異彩を放つ作家たちが描く生物たちが力強く躍動する。

そこには、強烈な個性が描く生命の根源的な輝きがある。

都市の上空で描かれるのは、
全ての生命が同様に輝く、自由な世界。

現在SHIBUYA SKY GALLERYにて開催中の「PARADISCAPE 異彩を放つ作家たちが描くせかい」。

展示中の作家とその作品を、ご紹介します。

Shu Toriyama

鳥山 シュウ | やまなみ工房

大好きなアニメやゲームキャラクターを模写することから絵を描く楽しみを持った少年期から、彼の世界観は更なる広がりを見せるようになった。細やかで緻密な線の集合体で描かれた動物や風景、妖怪やモンスターのような生き物が楽し気に生活される街並みなど、彼の頭の中のイメージそのままが絵に映し出されている。 絵を描くことで人とつながりが生まれ、夢を実現させるための活力であると、彼の創作への意欲が絶えることはない。

HERALBONY Art Prize 2024にて、審査員特別賞を受賞。

Shunichi Iwase

岩瀬 俊一|やまなみ工房

ペンを用いて人物や動物など、モチーフが決まると彼独自の視点で余白を余すことなく、紙面全てにゆっくりと描きこんでいく。彼の内向的で真面目な性格が作品にも反映されていて、描く線の一つひとつがとても丁寧で、まるで細い糸が絡み合っているかのように繊細に描かれる。日常では、ほとんど言葉も発することなく、意見を求めても、顔を赤らめながら、か細い声で一言口にする程度しかない彼の作品からは、内に秘めた思い全てが放出され、訴えかける力強さに満ち溢れている。彼もまた、自己を表現する術を作品制作に見出した1人であり、これからも彼の世界観は大きく広がっていくだろう。

HERALBONY Art Prize 2024にて、JR東日本賞を受賞。

Daisuke Shibuta

澁田 大輔

1995年生まれ。和歌山県在住。動物が好きで、水族館や動物園に行って、インスピレーションを受けている。頭の中で思い描く世界を下描きなしで、思いのまま自由に描くことで生き生きとした作品に仕上がる。

HERALBONY Art Prize 2024にて、トヨタ自動車賞を受賞。

Asuka Tazaki

田﨑 飛鳥

陸前高田市在住。彼は生まれながらにして、脳性麻痺という知的障害がある。幼いころから絵本や画集に興味を持ち、彫金作家である父、實さんの勧めで絵を描き始めるとその才能は伸びていき、アート展では賞を受賞するまでに。東日本大震災の津波により、自宅、今まで描いてきた約200点の絵、親しんできた豊かな自然と、そこに住むひとびと…かけがえのない大切なものを一瞬で失い、あまりの衝撃と悲しみから、ショックで一度は筆を置いてしまったが、父からの言葉で再び筆を取り、壮絶な経験を経て、今まで多くの観る人の心を動かす。