あらゆる人が、当たり前に混ざり合う世界へ。2024年のHERALBONYを振り返る

2024年もあとわずかで幕が閉じようとしていますが、皆さまにとって今年はどんな一年だったでしょうか。

HERALBONYは、2024年も様々な場所で、様々な形で、たくさんの新たな異彩を放つことができました。これも一重に、いつも応援くださっている皆さまのお陰です。本当にありがとうございます。

そしてこの1年は、HERALBONYの歴史の1ページとなるような大きな出来事がたくさんありました。今日はその中でも印象的だった取り組みを中心に、時系列で今年1年を振り返りたいと思います。

1月 「#障害者を消さない」プロジェクト

1月1日に発生した石川県能登半島地震を受け、HERALBONYでは、年始より社内の有志が集まり「#障害者を消さない」というプロジェクトを始動しました。

この活動は、東日本大震災において避難所などの集団生活の場で障害のある人たちが追いやられ、姿を消したという事実から、今回もきっと同じように困っているであろう障害のある方について少しでも理解を深めてほしいという思いから生まれたプロジェクト。具体的には、障害のある人のためのガイドライン・災害時に役立つ情報をまとめた特設ページを公開し、SNSを通じて被災地にいる障害のある人たちのリアルな声を届ける取り組みを行いました。

また1月5日には、能登半島地震の支援・復興のために商品の売上の一部を寄付するという活動を開始。本当に多くの方がHERALBONYに希望を託してくださり、たくさんのご支援をいただきました。そして寄付活動にご協力くださった皆さまへ感謝の気持ちをお届けするべく、石川県在住の作家・輪島貫太(Kanta Wajima)の作品「未来にタネをまこう」のポストカードをお配りしました。多種多様な人間や動物たちが生き生きと共存しているこの作品に、私たちも大きな力をもらいました。

改めて、皆さまの日頃の応援によって、私たちはこのような活動に尽力することができているということを実感しました。皆様に、心より感謝をお伝えさせてください。

プロジェクト秘話を綴った異彩通信もぜひご覧ください。
>社員がひとつに。「障害者を消さない」プロジェクト秘話【異彩通信#3】

4月 新ブランドロゴへ

4月23日、これまでカタカナだった株式会社ヘラルボニーというコーポレートロゴと、ブランド「HERALBONY」のロゴが統一化され、新しいロゴに生まれ変わりました。

ロゴデザインを担当したのは、日本を代表するトップクリエイター、水野学さん。

このロゴ変更は、今後HERALBONYが世界へと活動を拡げ、世の中に新たな文化を生み出していくことへの意思表示であり、ヘラルボニー創業二期における新たな章の始まりを宣言するものでした。

80億の異彩がありのままに存在する社会を目指して、生まれ変わったロゴとともに、HERALBONYの新たなる旅が始まりました。

>世界へ、そして100年続く文化企業に。クリエイティブディレクター 水野学×ヘラルボニー松田崇弥・文登が語る、新ロゴ誕生の背景

心をひとつに新しい船出を迎えた一方で、これまで慣れ親しみ、ともに歩んできた旧ロゴ(通称「馬ロゴ」)がなくなってしまう寂しさも感じていました。

そこで、これまでファンの皆さまに愛されてきた馬ロゴにスポットをあてた「The Last PONY Presentation」という特設ページを開設。HERALBONY JOURNALでは、その誕生秘話とともにファンの皆さまへの大切なメッセージをお伝えする記事を公開しました。

>HERALBONY「馬ロゴ」誕生物語 新しい旅のはじまりに、ファンの皆さまにお伝えしたいこと
このとき、私たちの想いを受け取ってくださったファンの皆さまから、SNSやアンケートでたくさんの反響と応援メッセージをいただいたことは、今でも私たちにとって印象深い出来事のひとつとなっています。

5月 LVMH Innovation Award 2024 カテゴリ賞を受賞

ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールなどのメゾンを傘下に持つ世界最大の複合企業LVMHが設立した、世界各国の革新的なスタートアップを評価する「LVMH Innovation Award 2024」。そこで日本企業として初めてのファイナリスト18社に選出され、5月23日にフランス・パリで開催された授賞式にて「Employee Experience, Diversity & Inclusion」カテゴリ賞を受賞しました。

日本のHERALBONYオフィスでは、表彰式の中継を固唾を飲んで見守るメンバーたち。「HERLABONY」の名前を呼ばれた時は、思わず涙が溢れました。

現地で登壇していた海外事業責任者の小林恵(Megu)は、中継カメラが向けられた際、真っ先に作家のアートをカメラに向かって掲げ、受賞スピーチでは作家への感謝の意を述べました。

5月 新ライン「HERALBONY ISAI」誕生

ブランドの新ラインとして、アートへの最大限のリスペクトと原画から感じるエネルギーをまとうプロダクト「HERALBONY ISAI」が誕生しました。

生産背景や素材選び、アートとファッションを接続する表現方法まで、細部にわたってこだわり抜いた、HERALBONYのこれからを体現する象徴的なプロダクトです。

自分自身が美術館となり、服としてまとうことで作品をキュレーションするというオリジナルな体験を通して、その魅力を世に発信するとともに、より深く作品を味わうことができる、唯一無二なプロダクトを目指しました。

>ISAIプロダクト一覧はこちら

このプロダクト開発と同時に、新たに「責任あるものづくり宣言」を発表。障害のネガティブなイメージ変容に挑む企業として、ものづくりにおいても責任を果たしていきたいという思いを表明しました。オンラインストア会員さま限定ご招待のHERALBONY ISAIのお披露目会では、私たちがものづくりにかける情熱とこだわりを多くの方に知っていただく機会となりました。

6月 阪急うめだ「HERALBONY ART COLLECTION」

6月には阪急うめだ本店にて大規模なPOP UP「HERALBONY ART COLLECTION」が開催されました。

「そのアートは、あなたを表現者にする」をコンセプトに、新しいロゴをまとったプロダクトが初お目見え。販売のみならず、来場者自身にアートを体感いただける多様なイベントを開催しました。

公開アート制作を行う、奥亀屋一慶と青木慎太郎

8月 「HERALBONY Art Prize 2024」展覧会&授賞式

今年の1月31日「異彩(イサイ)の日」に発表された「HERALBONY Art Prize 2024」は、障害のある人がひとりの作家としてその才能が評価され、さらなる活躍の道を広げていく機会を創出していくために、HERALBONYが自ら主催する国際アートアワード。

応募期間に集まったアート作品の総数は1,973作品。世界28ヵ国、総勢924名のアーティストから応募があり、グランプリを受賞した浅野春香「ヒョウカ」を始め、他にも審査員特別賞、企業賞など、多くの作家に注目が集まりました。

8月には、各受賞作家と最終審査進出作家、総勢59名による全63点の作品を一堂に展示するアート展「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」を開催。のべ1万人にご来場いただき、異彩を放つ作家が世界中にいることを、肌で感じていただける機会となりました。

また授賞パーティーでは、協賛企業の皆さまと受賞作家たちが一堂に会し、障害の有無に関わらずコミュニケーションが生まれる特別な空間が実現しました。授賞式の際の作家たちの誇らしげな表情や、普段あまり想いを口にしない作家からの感動的なスピーチ、作家たちの想定外のアクションに会場がこの日いちばんの笑顔に包まれるなど、印象的なシーンが多く生まれました。

9月 「HERALBONY EUROPE」設立。

「LVMH Innovation Award 2024」の受賞を機に、本格的に世界に向けた挑戦が始まり、9月には、フランス・パリに子会社が設立されました。

9月のパリ・ファッションウィーク(ウィメンズ)の期間に合わせ、パリ・マレ地区に位置するアートギャラリー「Galerie Christian Berst」で、ブランド初の海外での展示会を開催。異彩のアートの輝きを最高品質のシルク100%で丁寧に紡いだ最新のシルクサテンスカーフをお披露目しました。

> フランス・パリでの初展示会の様子をInstagramで見る
>シルクスカーフ(Paris Edition)一覧はこちら

10月 岩手カワトククラウドファンディング開始

HERALBONYの誕生の地、岩手県を代表する老舗百貨店「カワトク」にて、HERALBONYはこれまで常設店舗を運営し、たくさんのお客様に足をお運びいただきました。

そして来年、カワトク内のHERALBONY店舗が大きくリニューアルオープンします。

10月より、カワトクとタッグを組んだクラウドファンディングをスタート。開始から10日で目標の1000万円を達成しました。皆さまからの熱い応援メッセージを受け、必ずや期待にお応えできる素晴らしい場所を作り上げようと身の引き締まる思いでした。

現在もストレッチゴールに向けて、2025年の1月23日まで実施中です。
>クラウドファンディングはこちら

新店舗はこれまでの面積の5倍以上の広さを予定し、ショップだけではなくギャラリー、カフェも併設予定です。ヘラルボニーの掲げる「『障害』のイメージを変え、80億人の異彩がありのままに生きる社会の実現」を通じて、誰もが「そこにいていいんだ」と帰属意識を感じられる空間を作ることを目指しています。

来年のリニューアルオープンを、どうぞお楽しみに。

11月 東京大丸&岩手カワトクPOP UP STORE

11月には、東京大丸、そして岩手カワトクでのPOP UPを開催。
今回は初の試みとなる「作家1日ストアスタッフ」を開催。東京・岩手それぞれに、合計7名の作家が店頭を盛り上げました。
東京大丸でスタッフを担当した、伊賀敢男留・小林覚・佐藤 皓平HERALBONYでは、さまざまなシーンで、誰もが作家と同じ空間で、同じ時間を過ごすことを大切にしています。

作家と出会う体験を通じて、その魅力や面白さを体感し、作家への「リスペクト」のような感情が生まれる。そしてそれを体感した人自身も、自分らしさを肯定できるような気持ちになれたり、新たな気づきに出会うことができる。

百貨店に、イベント会場に、様々な人が何の気負いもせず、当たり前に自由に混ざり合っている空間。そんな場所を、これからもHERALBONYは生み出し続けていきます。

こちらのnoteもぜひご覧ください。
>私たちが「異彩」と出会う場を作りつづける理由|作家1日ストアスタッフレポート

そして2025年へ。

2025年も、HERALBONYは作家たちと共に、そして応援してくださる皆さまと共に、異彩を世界に届けていきます。

1月16日からは、SHIBUYA SKYにて、大規模なアート展「PARADISCAPE 異彩を放つ作家たちが描くせかい 」が開催されます。渋谷の屋上から、世界に向けて異彩を放つ企画展を、どうぞお楽しみに。

>詳しくはこちら

また、岩手カワトクのみならず、新たな店舗の出店も計画中です。こちらもどうぞご期待ください。

2024年もHERALBONYをご愛顧いただき、本当にありがとうございました。
2025年も、どうぞよろしくお願いいたします。