社員がひとつに。「障害者を消さない」プロジェクト秘話【異彩通信#3】
いつもHERALBONYをご利用いただきありがとうございます。スタッフのMarieです。
能登半島地震の発生を受けて、ヘラルボニーでは「#障害者を消さない」という活動を行っております。SNSではたくさんのシェアや賛同のコメントをいただき、皆さまの温かな想いを感じて、胸がいっぱいになりました。
また、1月5日より開始した「売上金寄付」の活動に関しても、多くの方にご協力をいただきました。改めて、皆さまの日頃の応援によって、私たちはこのような活動に尽力することができているということを実感いたしました。心より感謝いたします。
「#障害者を消さない」の活動は、どのように始まったか
なぜ私たちがこのような活動をすることに至ったのかについて、少しだけお話しさせてください。
へラルボニー代表の松田崇弥は、2011年の東日本大震災のとき、地元・岩手県に住む母親から「何人もの障害のある人が避難所から追放され、半壊した自宅への帰還や、自家用車の中で避難生活を送るしかないといった状況に陥った。」という話を聞いていました。
地震が起こった1月1日、居ても立ってもいられなくなった崇弥は、双子の文登と緊急会議を実施。そして地震当日から日をまたいだ深夜2時、崇弥はslackの全メンバー通知チャンネルに以下のように呼びかけました。
「本質的に何ができるだろうか。障害福祉にどのような形で貢献できるだろうか。出来ること、求められていることが必ずあると思います。一緒に考えて欲しい。」
呼びかけをおこなったところ、年始にも関わらず、崇弥や文登と同じようにじっとしていられなかった社内の有志メンバーが部門を超えて集結。改めて本活動がスタートしました。
まず私たちがやったことは、特設WebサイトやSNSを通じて、障害のある人たちが災害時に遭遇する問題や必要な情報を共有し、広く社会に発信すること。これにより、以下2つのことを目指すと定めました。
①一般の人たちに障害者の置かれている状況を理解してもらい、適切なサポートが得られるようになること
②信頼性のある情報と実質的な行動を通じて、災害時に障害のある人たちが見過ごされることなく、支援を受けられる環境を構築していくこと
▼「#障害者を消さない」特設サイトはこちら
また、1月5日には、能登半島地震の支援・復興のために商品の売上の一部を寄付するという活動も開始しました。
▼売上金寄付・詳細はこちら
感謝を込めて。オリジナルポストカードを全員にプレゼント
「寄付活動にご協力いただいた皆さまへ感謝の気持ちを伝えたい。」
社内からそんな声が上がったことをきっかけに、満場一致で「オリジナルアートポストカード」を制作、配布することが決定しました。
どんなアートなら喜んでいただけるだろう? と話し合いをする中で、ある社員から「石川県の輪島兄妹の作品がいいのではないか」とのアイデアが。天真爛漫で真っ直ぐで、イマジネーション溢れる兄妹が生み出す、明るくて観ているだけでパワーがみなぎるような作品ばかりです。
すでにご無事を確認できていた輪島家ご家族にご連絡を差し上げたところ「ぜひこの活動のためにお使いください」と、アートの使用をご快諾いただきました。
話し合いの結果、どれも魅力的な候補作品の中で、多種多様な人間や動物たちが生き生きと共存している「未来にタネをまこう」に決定。
ちなみに、妹思いの兄・貫太さんは、自身が人物を描く作品の中にはいつも必ず、妹の楓さんを登場させているとのこと。この作品にも、左上を探してみると……楽しそうな楓さんの姿が!
さらに驚くことに、貫太さんが人物を描く時は、登場人物全員にオリジナルのキャラクター設定があるのだとか……。それぞれどんなキャラクターなのか想像しながら、じっくりアートを眺めてみるのもおすすめです。
こちらの作品を起用したポストカードは、寄付対象商品をご購入いただいた方、全員にプレゼントいたします。オンラインストアにてご購入のお客さまは、商品に同封させていただきます。また、六本木ポップアップやカワトク店舗(岩手・盛岡)にてご購入いただいた方には直接お渡しをさせていただきます。
すでに寄付商品をご購入いただいた皆様(※)には、別途ポストカードをお届けさせていただきます。お届けまでしばらくお待ちくださいませ。
※オンラインストアにてご住所登録をいただいた方に限ります。
私たちはこの活動を通して、被災地にいる障害のある人たちが少しでも安心して過ごせる環境が整うこと、また、社会の意識が少しでも変わっていくことを心から願っています。
障害のある人たちが“いないもの”にされないように。これからも「障害者を消さない」の活動を続けていきます。
そして一刻も早い被災地の復興をお祈りしております。
輪島貫太・輪島楓兄妹をご紹介
輪島貫太
石川県金沢市生まれ。2歳のころ、動物に興味を持つようになり絵を描くようになる。 成長とともに落語、おもちゃ、アニメ、みんなのうた、トリビアなど、その時々で興味あるものを集合させて描くのが好き。絵の中に登場するキャラクターは本人と妹の他にオリジナルキャラを描き込むことが多い。将来の夢は、自分の絵やキャラクターたちを使ったアニメーションを作ること。アニメのキャスティングやシナリオを考えながら日々創作活動に励んでいる。
輪島楓
石川県金沢市生まれ。魔法使いやヒーロー・ヒロインが出てくる物語が大好きで、5歳の頃から折り紙を切ってお話に出てくる登場人物やアイテムを表現をしている。将来は映画監督になることを夢みて、迷いのない線でオリジナル絵本のイラストや小説をたくさん生み出している。まさに天真爛漫を絵に描いたような女の子。
「聴く美術館」輪島兄妹ゲスト回では、お二人の創作意欲溢れる会話や、微笑ましい兄妹の関係性も知ることができます。こちらもぜひご覧ください。