《イベントレポート》銀座店で小林泰寛が描いた、”いつもと違う作品”に込められていた想い

こんばんは、HERALBONYスタッフのMarieです。

自閉症啓発デーの4月2日、作家・小林泰寛(Yasuhiro Kobayashi)がHERALBONY LABOLATORY GINZAに訪れ、ライブペイントを行いました。

いつも「HERALBONYに行きたいんです」と話してくださる泰寛さん。念願の銀座訪問、そしてお客さまとの交流も生まれた素敵な時間となりました。

本日はその様子の一部を、メールマガジンをお読みくださっている皆さまにお届けします。

“ HERALBONY 銀座への護符” 描かれた「角大師」


神社仏閣や仏像が大好きな泰寛さん。イベント当日、泰寛さんは読み込まれた仏教の本を手に、店内のアトリエスペースへ向かいました。

あらかじめ「これを描きたい!」と思っていたかのように、その場で本を開き、迷うことなく描きはじめたのは、「角大師」。下書きを終えると、キャンバスの淵に「角大師(疫病退散)」という作品名が描かれます。

参照している本に載っている角大師は白黒ですが、泰寛さんが描く角大師には、引き続き迷うことなく、鮮やかな色が載せらせて行きます。私たちがよく知っているいつもの作風とは異なり、最初に選んだのは、真っ赤な絵の具。

さらに様々な独自の色彩が重なっていき、最後、背景は真っ黒に。

その場で一度完成を迎えたこの作品は、ご本人のアトリエに持ち帰られ、いつも使用している画材により後日さらに色彩が重ねられるとのことでした。

すると数日後、「完成系」となった作品の写真と共に、施設の方から泰寛さんの想いが送られてきました。

「この絵はHERALBONYさんに贈りたい。HERABONY銀座店への護符」

なんとこの作品は、私たち、さらには銀座店にその時訪れていた、そしてこれから訪れる皆さまのことを思って描いてくださったアートだったのです。泰寛さんの温かい気持ちを受け取ったスタッフ一同、感激の想いが胸に溢れました。

ライブペイントだけでなく異彩で繋がりが生まれていく空間


泰寛さんは、神社仏閣や仏像に詳しいだけでなく、「生年月日を聞くとその曜日がすぐにわかる」という異彩の才もお持ちです。

そばにいるスタッフや、ご来店くださったお客さま一人一人に、生年月日を質問する泰寛さん。店内は驚きと笑いに包まれ、そこから自然に会話が生まれていく。作品を介してだけでなく、泰寛さんという異彩を放つ存在が場を盛り上げ、繋がりを生み出してくれる、そんな時間となりました。

また、お客さまのご希望で、泰寛さんがお客さまにおすすめのハンカチを選んで差し上げたり、ご自身でお客さまにコースターをおすすめしたり。制作だけでなく、ストアの商品を通してもお客様とつながっていく、そんな場面もたくさんみられました。

いつも泰寛さんと過ごされている施設スタッフの古米さんも、「泰寛さんのこんな発言初めて聞きました」「誰かのためにものを選ぶという体験は初めてだと思います」と、お客さまとの交流を通して、泰寛さんの新たな一面が発露していくことを、とても嬉しそうに見守られていました。

作家が“当たり前にいる”空間 さまざまな人が混ざり合う空間を


HERALBONYではストアをはじめ展覧会などのイベントにおいても、作家とお客さまが同じ空間で、同じ時間を過ごすことを大切にしています。

「障害」= 欠落、ではなく、ちがいがあるからこそ、描ける世界がある。

作家の出会いを通じて、その魅力や面白さを体感し、作家への「リスペクト」や「憧れ」のような感情が生まれる。そしてそれを体感したお客様ご自身も、自分らしさを肯定できる気持ちなど、新たな気づきに出会うことができる。そんな体験をお届けすることができると、私たちは考えています。

作家の周りに人々が集い、笑顔が広がる空間を生み出すことで、少しずつ障害に対するイメージが変わっていく。そんな未来に向けて、HERALBONYはこれからも、多くの方が「異彩」と出会い混ざり合える場所を作っていきます。

Yasuhiro Kobayashi ITEMS


HERALBONYでは、プロダクトを生み出した際には、そのアートを描いた作家へのアイテム贈呈を行っています。今回、泰寛さんにはアイテムを直接お渡しすることができ、そのTシャツを着用してイベントにご参加くださいました。

自閉症啓発デーに合わせた、ブルーの色味が印象的なハンカチをお渡しした際に、泰寛さんの口から、とても印象的な言葉が。

「空と海から生まれた宝石」。

これは作品に起用された青を指す言葉のようでした。

そんな宝石のような青をまとったアイテムたちを、ぜひ皆さまもお手元にお迎えしてみてはいかがでしょうか。

[ Nagasawa COFFEE×HERALBONY ]コースター「マレッティモ島の海」

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ハンカチーフ「アドリア海のサント・ステファン島」

ハンカチーフ「フンザのカラコラムの連峰」